2004年11月12日
トーノZEROアニメ感想舞-HiME total 2839 count

姫の力をいかに使おうと自由、という理由で戦いを始めそうになる姫達!?

Written By: トーノZERO連絡先

 謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!

 今日の舞-HiMEの感想。

サブタイトル §

第7話「迷子の仔猫たち」

あらすじ §

 命は、深夜の街に兄を捜しに出ます。

 そこで、姫の力を行使して男から金を巻き上げる結城奈緒と出会い仲良くなります。

 舞衣から子供扱いされた命は反発して、結城奈緒と一緒に男を襲うようになります。

 しかし、二人は、炎の示唆で駆けつけた舞衣と、偶然出会ったなつきに見つかります。

 姫の力は自由に使って良いと主張する奈緒に反発して戦おうとするなつき。

 そこに、炎が割って入り、姫同士が戦うことは許さないと言います。

 奈緒は建物を破壊して立ち去ります。

 その瓦礫の中に命が取り残されます。

 しかし、神崎黎人が命を助け出していました。

 命と舞衣は仲直りします。

感想 §

 あらすじとは解釈することであり、創造的行為である、ということは、感想にあらすじを書くようになってから良く分かるようになりました。特に今回のあらすじは、解釈し、取捨選択しなければ書けないような情報量の多いものですね。それゆえに、多くのものを取捨選択しています。しかし、捨てたものの中には、次回以降への伏線なども含まれています。今回のあらすじとしては重要ではないと切ったわけですが、全体として見た場合、重要なものが含まれる可能性があります。

 それはさておき、この作品が真に優れている部分が何か、と言うことが今回は非常に印象的に示されていますね。もちろん、それを印象的と受け取るか否かは視聴者次第ではありますが。

 それは、姫の力をいかに使うかは各人の自由であると言うことです。単にオーファンと戦う力であるという綺麗事は誰も信じていません。そして、この力をいかに使うかは、各人が自分で考え、思い悩み、決めねばなりません。その思い悩む部分こそが、この作品の真に優れたところですね。姫達がみな思い悩み、それぞれに異なった試行錯誤を経て結論に至る過程こそが見せ場です。その点にこそ、複数の美少女が並び立つ作品構成の必然性があります。複数の美少女が並ぶのは、単なるマーケティング的なカタログ化ではありません。

 そして、もう1つ、姫の力は自由に行使できないということも逆説的に示されています。力には許されない使い方があり、それは強制的に外部の力で阻止されうるわけです。それゆえに、この話は単に各人が割り切れば良いという単純な話になりません。私はこう思う、というだけでは話は決着しないわけです。つまり「俺論理」では済まされないわけです。

それこそが、人が生きるということの本質的な苦悩とも言えるわけで、話の内容に深い奥行きを与えてくれますね。

 という堅い話はさておき、「黙秘権」と言うためにわざわざ拳法モドキを見せて「黙秘拳」という碧ちゃんが可愛いですね。

今回の名台詞 §

なつき「それが気にくわないというのも私の勝手だ」

 相手に同意しているように見せかけて、実は反対であることを示す高等話術ですね。